So-net無料ブログ作成
検索選択

ティンカー(ウェン・スペンサー著) [文学]


 
ここ3年間に読んだ中で最も面白かった小説は何かと聞かれたら迷わずティンカーと答える。
SF+ファンタジイ+ロマンスアクションという全ての要素を含んだ小説。
ある程度の年齢だとカバーのイラストに引いてしまうかも知れないが、中身は本物。
むしろR18ぐらいの制限を設けたい気がする。
恋ではなく、もっと具体的な愛、そういったロマンスがあり、ゾッとする場面もあり、それでいて夢のような場面もあるし、スピード感のあるアクションシーンもある。
20代から恐らく50か60代までなら楽しめる。
SF+ファンタジイという世界観を受け入れることのできる人ならもっと高齢でも楽しめるかも知れない。
最初の5~10ページほどは世界観がつかめず、どういった世界で何が起こっているのか分からないまま読み進めることになる。
しかし、読み進めるほどに色々なことが分かってきて、それに伴い物語に引き込まれてゆく。
そして気がつけば後戻りできないまでに夢中になってしまう。
その度合いは読み進めたページ数に比例する。
最後の数十ページはどれほどのものか、読んだ人でないと想像すらできないはず。
 
多くの要素を含んだ小説だけど、たとえばロマンス部分にスポットを当てると、この部分は男性のためにもなる。
本当に女性が望んでいるものがこの物語にはあるから。
この部分だけを抜き取っても、
ノーラ・ロバーツ
ルイーズ・バグショウ
シャンナ・スウェンドソン
ジャキー・コリンズ
ヘレン・フィールディング
彼女たちを凌駕している。
夢と現実のギャップに直面し、その時々の心境の変化や苦悩と決断、それらを誇張しすぎずに実に見事に描いている。
少しずつ謎が解けていると思わせながら、最後にあっと驚かせるミステリー
そういったものを見事に表現しながらアクションを盛り込み、ハラハラドキドキさせるストーリー展開。
そういった中で登場人物たちの心が、それぞれの立場、状況でそれぞれのその時々の思いが描かれている。
これは間違いなく大人の読み物だ。
胸が痛くなるような愛を想いを経験していなければ、登場人物たちのその時々の心の涙を共感できる経験がなければこの作品の良さは理解できない。
10代の人がこれを読んで何も感じなければ、心から面白いと思えなければ5年後に読むべきだ。
それでも同じなら、さらに5年待つ必用があるかも知れない。
 
これほどの作品を書いた著者のウェン・スペンサーの才能には驚く。
本当に素晴らしい。
 
残念なことを言えば、これを読んでしまったら今まで読んだ殆どの小説がとてもつまらないように思えてしまうこと。
そして、新たな小説を読むには十分に検討し本当に面白いと評判のものを慎重に選択し、ティンカーのことはしばし忘れて読むしかない。
そうすれば、読んでいる間は楽しめる。
少なくとも読み終わって本棚に戻すとき、ティンカーの背表紙が目にはいるまでは。
 
 
小説とはジャンヌがどうのこうのいっても結局は面白いか、どのくらい面白いかだと思う。
これほど面白い小説は他にはない。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。